ある高校で水泳大会が行われることになりました。学級対抗のリレーにクラスから4人の選手を出します。3人はすぐに決まりました。しかし、最後の一人がなかなか決まりません。その時、「Aにしよう!」と言った者がいて、結局そのまま決まってしまいました。Aさんは、肢体に不自由のある女子学生です。泳ぐ時の変な格好を見て、みんなで笑ってやろうという魂胆なのです。
水泳大会が始まり、Aさんの番が来ました。Aさんは必死で泳ぎだしました。しかし、不自由のある体ですので、健常者のようには泳げません。Aさんは、ゆっくりゆっくり進みます。そんな彼女の泳ぎに、思惑通りまわりから笑いが起こりました。冷笑・嘲笑です。彼女は、笑い物にされていました。
その時、スーツ姿のままプールに飛込んだ人がいました。その人は、Aさんの脇にピッタリ付いて「頑張れ、頑張れ!」と大きな声で励まし続けます。そして、励ましながら、その人の目から大きな涙が流れていました。それは、その高校の校長でした。
その時から、まわりの笑いは止み、そして励ましに変わりました。みんなが「頑張れ、頑張れ!」と声をあげていました。Aさんが、やっとのことで泳ぎきった時、教師も学生も、みんなが涙を流しながら、「Aさん、良く頑張ったね!」と彼女を称えていました。
その後、その高校でのイジメは無くなったそうです。